私は産業医をしているのですが、うつ病の社員の方々と面談をする中で、「実は転職しようと思ってるんですけど、なかなか上手くいかなくて…」という方がおられます。
そうした面談の中で、上手くいかない原因としてはいくつかのパターンがあります。その転職が上手くいかない原因について今回は書いてみたいと思います。
自信を喪失してしまっている
うつ病などのメンタル疾患になっておりますと、「転職して仕事を、本当にできるんだろうか…」と自信を失ってしまっておられる方がいます。
この自信喪失状態のまま採用面接に臨みますと、「こうした仕事、できますか?」と訊かれて「いや、あの…できるとは思いますが…」などと答えてしまい、「本当に大丈夫かな?」と思われてしまう可能性があります。
ですが、実際は病状の快復に伴って問題なく仕事をこなせる方がほとんどですので、あまり自分を過小評価するべきではないと思います。
希望条件が定まっていない
応募する求人の「希望条件」が定まっていませんと、そもそも求人選びから迷ってしまい、結果としてタイミングを逃してしまうことがあります。
そのチャンスを逃さないようにするためにも、やはり「こうした希望条件の企業に入職したい」ということはしっかりとあらかじめ考えておくべきかと思います。
なかなか希望条件を定めることが難しいという方は、うつ症状専門の就業移行支援を行っている「シゴトライ」や、カウンセリングなど手厚いサポートのある「ネオキャリア
」などの転職支援会社に相談しながら決めるとよろしいかと思います。
そもそも病状快復が十分ではない
転職活動にはかなりのエネルギー、体力を要します。そのため、うつ病の病状快復が十分ではないと、転職活動に耐えることができないと考えられます。
睡眠の時間が一定となっているかどうかなどの「生活リズムが整っている」ことや、「日中、昼寝をせずに過ごせる」かどうか、「外出して散歩できるかどうか」「通勤時間に駅まで行って電車に乗れるかどうか」などの病状快復が十分かどうかを確認しましょう。